今年のドイツは9月初旬まで夏日が続いたものの、秋分の日を迎えた今では、すっかり気温が下がり、木の葉や木の実が落ちはじめ、秋の気配となりました。
さて、ドイツにいながらにして、日本や中医学の食養生を実行していきたい。家族や自身の健康のために、食生活をすこし見直してみたい。そんな方々に向けて、毎月食と健康に関するテーマを取り上げていきます。
9月という月は、真夏の7月・8月が過ぎて、体の中の熱は徐々に消え、朝夕の気温の変化や、不用意に冷たい風にあたるといったことで、体調をくずしやすい時期でもあります。一方、冬の寒さで体が芯から冷えてしまう前の、体温を調整できる準備期間とも言えます。食から体を温かく保つには、日本の伝統食、みそ汁が一番のおススメです。味噌には、体温を上げ、新陳代謝を活性化させる作用があります。また、みそ汁の具として代表的な、ニンジン、ネギ、大根にも陰陽でいうところの、陽の力があり、これらも体を温め、体温を最適に保つ働きがあります。
さて、ドイツで見かけるコールラビ(Kohlrabi)というもの、キャベツ(Kohl)とカブ(Rabi)という二つの言葉が組み合わさった名前です。薬膳の考えでは、キャベツは胃の消化を助け、カブはお腹を温め、消化不良によいとされています。コールラビはビタミンCが豊富で、100グラム中のビタミンCは62mgと、レモン(53mg)より多いのです。しかも熱に強いので、調理しても大丈夫。キャベツのような甘味もあり、手軽においしく食べることができます。
今月はそのコールラビをみそ汁に入れてみました。体を温め、解毒作用のあるネギと一緒に、有機農法の赤みそで簡単に作りました。もちろん、昆布とかつおぶしのだしをとってから作ります。
コールラビのほんのりした甘味が味噌の塩味と酸味に調和して、シンプルながらにおいしくいただけます。
食養生というと難しく聞こえるかもしれませんが、一番のヒントは、季節の食べ物にあるといえます。今の時期に旬なものをとりいれることで、ちょうど体が必要としているものを補ってくれる、そう考えてみてはいかがでしょうか。中国古来の考えかたに、天地人というものがあります。人間は天と地の間にあり、自然の中で調和しているのが理想というものです。忙しい現代ではありますが、食は毎日のこと。一か月にひとつでも、季節を意識した食材をとりいれてみる、そんなはじめの一歩をみなさんとともに歩んでいけたらと思います。
デュッセルドルフの鍼治療院では、中医学の診断法をとりいれた本格的な鍼治療を行っています。医食同源という言葉にあるように、長期的な体質改善には、日々の食生活がまず基本です。患者様には、治療に加えて、食生活のアドバイスも行っております。お気軽にご相談ください。
デュッセルドルフの鍼治療院
ドイツ自然療法士 ストラスナーアキ
Heilpraktikerin Aki Strassner