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ドイツで食べる発酵食品

ドイツで食べる発酵食品

 

発酵食品は、腸内環境を改善し、ココロとカラダに働きかける理想の食品だ。

発酵食と聞くと、味噌やぬか漬けなど思いあたるだろう。しかし、海外に住んでいると、なかなか手に入らないものだ。もちろん自分で作ることもできるが、ドイツにも昔から伝わる発酵食がある。まずは自分の住んでいる場所で手軽に手に入るものから、発酵食を取り入れるのもいいと思う。

 

そもそも発酵とは

 

食材に細菌などの微生物が働きかけることで、人体に有益な成分を作り出すことだ。たとえば、糖分、うまみ、アルコール、乳酸などをつくりだすことだ。加えて、長期保存に耐えられる形に変えるというメリットもある。冷蔵庫のない昔から人類があみだしてきた生活の知恵だ。発酵によって、食材の味がよくなり、またビタミン類など栄養素も作り出され、なにより腸内の環境を整える健康によい食品に変えることができる。

 

発酵食品の効果

 

腸内には様々な菌が住み着き、体内のバランスをとっている。人体に有用な菌である善玉菌とよばれるものに、乳酸菌がある。乳酸菌は非常に強力な力をもっているとされ、人体に有害とされる菌からカラダを守ってくれる。つまり、発酵食をとることで、乳酸菌の働きが促され免疫力が向上する。また、腸が理想的に働くことで、便秘を解消、老廃物がスムーズに出される。それによって、臓器の負担が軽くなり、新陳代謝が活性化される。加えて素材に含まれるビタミンや抗酸化物質などによって、美肌効果アンチエイジングといった数々の効果が期待される。様々な食材からつくられる発酵食品と意識してとることで、その食材の長所を効率的に活用することができる。

 

日本の代表的な発酵食品

 

みそ、ぬか漬けのほか、納豆、酢、しょう油、しお麹、甘酒、日本酒などがある。麹があれば、ドイツでもみそやしお麹、甘酒など手軽につくることができる。納豆は納豆菌が必要となるが、市販の納豆を種として作ることも可能だ。

 

ドイツの発酵食品

 

ドイツで有名な発酵食品は、ザウワークラウト。キャベツを塩とスパイスに漬け込んだもの。キャベツに含まれるビタミンCと乳酸が体内のバランスを整え美肌効果ももたらしてくれる。

塩漬けのピクルスも発酵食品であるが、スーパーで売っている酢漬けのものと区別したい。なぜなら、酢漬けのものは、酢によって発酵(腐敗)を止められているもので長期保存はできるが発酵食ではない。一方塩漬けのものは、自然の乳酸菌によって発酵が進み酸味を作り出しているものである。

そのほかドイツで手に入る発酵食品は、オリーブ、チーズ、ビール、サラミ、生ハム、ヨーグルト、ケフィアなどがある。

 

まとめ

 

発酵食品というと、それぞれの文化や土地にあったものがあり、現代においても先人の知恵から学ぶことができるのは興味深い。身土不二という言葉があるように、住む土地のものを食べることで健康になれるということも念頭におきつつ、ドイツで作りやすい発酵食品を日本の知恵とあわせつつ自分の生活に取り入れていきたいものだ。

 

ドイツでたのしく食養生 www.shimabe.de  自然療法士 島部亜紀

 

写真pixabay